どうして年代が分かる?放射性炭素(C-14)で過去を測る技術を解説

2025年9月18日

放射性炭素を利用した「年代測定」とは

ハナプク

マシマロ~、かなり前の話なんだけど、2023年に岡山県浅口市の円珠院が所蔵する「人魚のミイラ」を科学的に分析するプロジェクトがあったの覚えてる?

マシマロ

知らんな~。それがどうかしたんか?

ハナプク

その人魚のミイラは1800年代後半に作られた可能性があって、放射性炭素年代測定による分析結果らしいんだけど、「放射性炭素年代測定」ってなに?
放射能に詳しいマシマロなら知ってると思って。

マシマロ

それは、放射能が規則的に減衰する性質を利用して年代を推定する技術やな。仕組みを説明するわ~。

環境中に存在する放射性炭素

炭素は生命にとって必要不可欠な元素で、人体を構成する元素としても酸素に次いで多いです。

この炭素ですが、自然界には3種類(炭素12、炭素13、炭素14)の同位体が存在します。このうち炭素12と炭素13は安定同位体ですが、炭素14は「放射性同位体」です。

炭素14は、半減期5730年で放射線を出して窒素14へ崩壊します。半減期は寿命のようなものだと考えていただければ大丈夫です。 

マシマロ

炭素14は放射性同位体やから崩壊してその数は減っていくんやけど、その一方で、大気中で絶え間なく生成されてるねんな。これは地球上に絶え間なく降り注いでいる宇宙線が大気中の物質と反応してるからやねん。

ハナプク

その結果、生成量と減少量はつりあって、炭素14の量は環境中で一定となっています。

放射性炭素年代測定の仕組み

放射性炭素は、二酸化炭素として絶えず補給されています。動植物が生命活動を行っている間、体内に取り込んだ炭素同位体の割合は、自然界の割合と同じです。

ここで、動植物が死ぬと炭素が取り込まれなくなります。そうすると、体内に取り込まれていた炭素のうち、安定炭素の量はそのままですが、放射性炭素は、どんどん崩壊して無くなっていきます。

このとき放射性炭素は半減期にしたがって規則的に無くなっていきます。まるで時計のように寸分の狂いなく正確に時を刻みます。

マシマロ

この減り具合を測定することで、動植物が死んでから今日まで経過した時間を推定できるというわけやな。これが「放射性炭素年代測定」のメカニズムや。