放射線と放射能の基本

みなさま、日々お疲れ様でございます。
この記事では、「放射線と放射能」について基礎的なことを解説しています。
放射線を出す能力=放射能
最近、中国への日本水産物の輸出再開や、除染土関連のニュースが報じられる中で、「セシウム」や「トリチウム」といった単語を目にするようになりました。
これらセシウムやトリチウムは、放射性物質と呼ばれており、放射線というものを出します。
放射線とは、放射性物質が崩壊するときに放出される高エネルギーの光子や粒子のことです。
この放射線を出す物質の能力のことを放射能と呼んでいます。汎用的に、放射性物質そのものを放射能と呼んでいるケースも多いです。

「放射能漏れ」なんて言うと、「その言葉の使い方はおかしい!漏れるのは放射性物質だ!」といった感じで指摘してくる人たちがおるけど、うるさいねん。

ちょっと間違ってしまっても文脈で意味は判断できるし、そこまで気にしなくて大丈夫です。
放射能の強さを左右するもの

今、放射性セシウムが付着したエリンギとチンゲン菜が並んでいるとします。
エリンギにもチンゲン菜にも同じ量の放射性セシウムが付着していますので、同じ数の放射線が出ています。この場合、両者の放射能の強さは同じです。

今度は、放射性セシウムが付着したエリンギとサツマイモを見てみましょう。
エリンギよりもサツマイモのほうが放射性セシウムがたくさん付着しており、サツマイモのほうが放射線がたくさん出ています。
放射性物質の量が多いほど放射線の数は増えます。
そのため、放射性セシウムがたくさん付着したサツマイモのほうが放射能は強いということになります。

最後に、放射性セシウムが付着したエリンギとトリチウムが付着したカボチャを考えてみましょう。
セシウムもトリチウムも同じ量が付着しています。でも明らかにカボチャのほうが放射線がたくさん出ています。
放射線は放射性物質が崩壊するときに放出されますが、崩壊するスピードは放射性物質によって異なります。
同じ量で見たとき、崩壊するスピードが早いほうが放射線をたくさん出します。
今回のケースでは、トリチウムのほうが放射性セシウムよりも崩壊するスピードが早いため、同じ時間で見たときにトリチウムのほうが放射線を出す数が多くなります。
そのため、放射性物質の量が同じであっても放射性物質の崩壊するスピードが早いほうが放射能は強いということが言えます。

まとめると、放射能の強さは、放射性物質の量と放射性物質の種類(崩壊速度)、この2つで決まるということや。
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