放射線と放射能の基本☝

2025年7月5日

この記事では、「放射線と放射能」について解説しています。

放射線を出す能力=放射能

最近、中国への輸出が再開するというニュースで「セシウム」や「トリチウム」といった単語を目にするようになりましたが、これらは放射性物質と呼ばれ、放射線というものを出します。

放射線とは、放射性物質が崩壊するときに放出される高エネルギーの光子や粒子のことです。

この放射線を出す物質の能力のことを放射能と呼んでいます。汎用的に、放射性物質そのものを放射能と呼んでいるケースも多いです。

放射能漏れ」なんて言うと、「その言葉の使い方はおかしい!漏れるのは放射性物質だ!」といった感じで指摘してくる人たちがおるけど、うるさいねん。ちょっと間違ってしまっても文脈で意味は判断できるし、そこまで気にせんでええと思います。

放射能の強さを左右するもの

放射性セシウム(ここではセシウム137を考えます)が付着したエリンギとチンゲン菜が並んでいます。エリンギにもチンゲン菜にも同じ量の放射性セシウムが付着していますので、同じ数の放射線が出ています。この場合、両者の放射能の強さは同じです。


今度は、放射性セシウムが付着したエリンギとサツマイモを見てみましょう。エリンギよりもサツマイモのほうが放射性セシウムがたくさん付着しています。どうでしょう。明らかにサツマイモのほうが放射線がたくさん出ています。

放射性物質の量が多いほど放射線の数は増えますので、放射性セシウムがたくさん付着したサツマイモのほうが放射能は強いということになります。


最後に、放射性セシウムが付着したエリンギとトリチウムが付着したカボチャを考えてみましょう。セシウムもトリチウムも同じ量が付着しています。でも明らかにカボチャのほうが放射線がたくさん出ています。

放射線は放射性物質が崩壊するときに放出されますが、この崩壊するスピードは放射性物質によって異なります。同じ量で見たとき、崩壊するスピードが早い放射性物質のほうが放射線をたくさん出します

今回のケースでは、トリチウムのほうが放射性セシウムよりも崩壊するスピードが早いため、同じ時間で見たときにトリチウムのほうが放射線を出す数が多くなります。そのため、放射性物質の量が同じであっても放射性物質の崩壊するスピードが早いほうが放射能は強いということが言えます。

まとめると、放射能の強さは、放射性物質の量放射性物質の種類(崩壊速度)、この2つで決まるということや。

基礎知識

Posted by マシマロ